京都府医師会では、医道の高揚、医学および医療の進歩ならびに公衆衛生の向上を図り、もって社会福祉を増進することを目的として医師の生涯教育、地域医療の推進発展、医業経営の改善など各種事業をおこなっております。
最近は、経済の停滞による財源不足により、社会保障費が削減され、さらに新臨床研修制度の導入により医師不足の顕在化、地域や診療科間の偏在などが顕著となり地域医療は危機的状況に陥っておりますし、社会保障の危機は国民の安心で安全な生活をも脅かしています。多くの国民は、自らの生活の将来に不安を抱いており、社会保障の充実を切望しています。深刻な社会保障財源の不足に対応すべく民主党政権下で社会保障と税の一体改革をおこなうとして消費税増税が突然わき上がってきたことはご承知の通りであります。社会保障と税の一体改革に向けて社会保障のあるべき姿が「社会保障制度改革国民会議」で議論されその答申が平成25年8月に提出されましたが、社会保障の充実とは裏腹に、効率化と称する医療費、介護給付費の削減策ばかりが押し出されているのが現状であります。確かに、厳しい財政状況下で医療、介護、福祉だけがこれからも財源を求め続けることは困難ではありますが、我々が日本の医療を守るという理念と信念のもと、国民の目線で医療制度改革に提言をしていかなければこの危機的状況は打開できないと考えております。
一方で、地域医療の充実が強く求められております。在宅医療も一つの大きな柱として病診連携の強化、多職種との連携強化も求められています。地域住民の健康と生命は地域の医師が中心となって守るという基本理念のもと、地域全体で取り組む医療を進めていくためにも、開業医や勤務医という立場を越え、世代の垣根を越え全ての地域医療に邁進する全ての医師が医師会活動にご参加いただける医師会を目指して活動しております。
今後、社会状況、医療制度の変化の激しさに迅速に対応していくためには、IT化をより一層推進し、地区医師会との連携のみならず、会員各位とも情報の普及と共有を進めていく必要があります。平成19年度より運用しております会員メーリングリストをさらに普及させ有効活用するとともに、後援会や各種協議会のインターネット配信などもさらに充実させてまいりますし、府医トレーニングセンターの活用によりより実践的で有用な生涯学習の充実にも取り組んでおります。