令和6年度診療報酬改定を答申-中医協

 中医協は2月14日、令和6年診療報酬改定について武見厚労大臣に答申しました。

 個別改定項目(短冊)および新点数等の概要は、下記の厚労省ホームページ(中医協総会資料)から、「総-1」「 総-2別紙1-1」等をご参照ください。

 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00247.html

 主な内容は下記のとおりですが、算定要件などの通知は3月上旬に示される予定です。詳細はあらためてお知らせします。なお、今回から6月改定となります(薬価改定は4月)。

 

初・再診料等の引き上げ

 初診料:288点 → 291

 再診料: 73点 → 75

 外来診療料(200床以上の病院の再診):74点 → 76点 

 

外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)・(Ⅱ)、入院ベースアップ評価料の新設

 看護職員をはじめ医療関係職種の賃上げを実施する医療機関(施設基準の届出が必要)において、初・再診時等に加算する。賃上げに係る計画の作成と実績の報告が必要。

 

医療情報・システム基盤整備体制充実加算の見直し(医療情報取得加算に名称変更)

 オンライン資格確認の体制整備に係る評価から、診療情報・薬剤情報の取得・活用にかかる評価へ見直し、名称を医療情報取得加算に変更する。また点数の見直しや再診時も算定可能となる。

 <初診>医療情報取得加算1            点(月1回)

     医療情報取得加算2(マイナ保険証を活用) 点(月1回)

 <再診>医療情報取得加算3            点(3月に1回)

     医療情報取得加算4(マイナ保険証を活用) 点(3月に1回)

 

地域包括診療加算等の見直し 

 かかりつけ医と介護支援専門員との連携の強化や、適切な意思決定支援に係る指針の作成などを要件に追加するとともに、点数を見直す。

  地域包括診療加算1   25点 → 28

  地域包括診療加算2   18点 → 21

  認知症地域包括診療加算1 35点 → 38

  認知症地域包括診療加算2 28点 → 31

 

特定疾患療養管理料の対象疾患の見直し

 対象疾患の追加:アナフィラキシー、ギラン・バレー症候群

 対象疾患から除外:糖尿病、脂質異常症、高血圧 

※受け皿として、生活習慣病管理料(Ⅱ)を新設(下記参照)

 

生活習慣病管理料の見直し

 検査や注射などを別に算定できる生活習慣病管理料(Ⅱ)を新設(従前の生活習慣病管理料は(Ⅰ)に変更)。

 外来管理加算との併算定は不可。ただし外来管理加算に近い点数を上乗せ。

 作成が要件の療養計画書は簡素化されるとともに、「4カ月に1回以上の交付」は「概ね4カ月に1回以上の交付」に緩和。

 院内掲示が要件に追加(患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であることを医療機関の見やすい場所に掲示)。

 

 生活習慣病管理料    → 生活習慣病管理料(Ⅰ)(月1回)

  脂質異常症 570点 →  脂質異常症 610

   高血圧症 620点  →  高血圧症 660

   糖尿病  720点  →  糖尿病  760

 生活習慣病管理料(Ⅱ) 333点(月1回)<新設>

 

処方箋料等の見直し

 処方箋料

  1.「3種類以上の抗不安薬」等 28点 → 20

  2.7種類以上内服薬等     40点 → 32

  3.「1」・「2」以外     68点 → 60

 一般名処方加算(処方箋料に加算)

  一般名処方加算1 7点 → 10

  一般名処方加算2 5点 →  

 

薬剤情報提供料の見直し 10点 → 

 

特定疾患処方管理加算の見直し

 特定疾患処方管理加算1 18点 → 廃止

 特定疾患処方管理加算2 66点 → 特定疾患処方管理加算 56点 (月1回)

 

長期収載品の保険給付の在り方の見直し(令和6年10月1日から施行・適用)

 長期収載品に選定療養の仕組みを導入する。厚労省が定める基準に該当する長期収載品を患者が希望する場合、後発医薬品の最高価格帯との価格差の4分の3までを保険給付の対象とし、4分の1は患者負担とする。医療上の必要性がある場合や後発医薬品の提供が困難な場合は除かれる。

 上記取扱いに伴い、処方箋の様式が見直し。

 

 

ワークライフバランス塾in京都「これでわかる!あなたの働き方改革」のご案内

 京都府医師会ワークライフバランス委員会主催の「ワークライフバランス塾in京都」を、3月16日(土)14時から開催(ハイブリッド開催・事前申込制)いたしますので、ご案内いたします。

 土曜日のお昼間の時間ですが、多くの方々のご参加をお待ちしています。

 詳細はご案内チラシをご確認ください。

 

 ・お申込みはこちら ⇒【申込フォーム】

 

 ・ワークライフバランス塾in京都「これでわかる!あなたの働き方改革」【案内チラシ】

 

 

【企画者のことば】

 いよいよ2024年4月から開始される「医師の働き方改革」ですが、ご自身の生活にどのような影響があるか、実際にどう変化するのか、まだ見えてきていない方が多いのではないでしょうか。

 今回、京都府医師会では、この新制度の中で医師として成長、活躍していただくために、理解を深める講演会を企画しました。

 基調講演1,2では制度面をはじめ、研修医、専攻医、大学院生、病院勤務医、そして救急外来の体制に起こる変化について解説します。

 パネルディスカッションでは、実際に影響を受ける若手から中堅医師、大学院生にご登壇いただき、所属施設での対応や今後課題になることについて考えます。

 本講演を聞いていただくことで、4月以降の大きい変化に対応する力をつけていただくことができれば幸いです。

 

                          京都府医師会 理事 堀田祐馬

 

 

 

 

 

市民公開講座「災害時のトリアージを理解しよう」のご案内

 この度、第29回日本災害医学会総会・学術集会の関連企画として、「災害時のトリアージに関する合同委員会」(日本医師会・日本災害医学会・日本救急医学会・日本臨床救急医学会)の共催で、市民公開講座「災害時のトリアージを理解しよう」が開催されることになりましたので、お知らせします。
 本公開講座では、「災害時のトリアージ」について、広く一般市民の皆様にご理解いただくために、災害医療の専門家が分かりやすく解説します。
 是非、ご参加ください。

と き  令和6年2月24日(土)午後4時30分~午後6時
ところ  京都市勧業館みやこめっせ 地下1階 第1展示場A

※概要はこちらをご参照ください。
 →https://www.med.or.jp/people/triage/

HPVワクチンのキャッチアップ接種に係る周知等について

 ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種については、積極的勧奨の差控えにより接種機会を逃した方に対する接種(キャッチアップ接種)の実施期間が2025年3月31日までとなっていることに伴い、改めて、改訂された情報提供資材とともにお知らせします。

 キャッチアップ接種の対象者は、1997年4月2日から2008年4月1日までの間に生まれた女子であり、HPVワクチン接種の方法は、「サーバリックス(2価)を1月以上の間隔をおいて2回筋肉内に注射した後、第1回目の注射から5月以上かつ第2回目の注射から2月半以上の間隔をおいて1回筋肉内に注射する方法」、「ガーダシル水性懸濁筋注シリンジ(4価)を1月以上の間隔をおいて2回筋肉内に注射した後、3月以上の間隔をおいて1回筋肉内に注射する方法」又は「シルガード9水性懸濁筋注シリンジ(9価)を1月以上の間隔をおいて2回筋肉内に注射した後、3月以上の間隔をおいて1回筋肉内に注射する方法」とされております。

 したがって、3回の接種を完了するには半年程度かかることにご留意ください。(なお、通常の定期接種では、第1回目の接種時に12歳となる日の属する年度の初日から15歳に至るまでの間にある者に対して行う場合、「シルガード9水性懸濁筋注シリンジ(9価)を5月以上の間隔をおいて2回筋肉内に注射する方法」が可能となっております。)

 詳細については、下記URLをご覧いただきますとともに、広報資材につきましても下記URLよりダウンロードいただき、ご利用ください。

 

<提供資材>

・リーフレットを掲載している厚生労働省ホームページ「HPVワクチンに関する情報提供資材」:

 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html

・その他の広報資材を掲載している厚生労働省ホームページ「HPVワクチンに関する広報について」

 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/kouhou.html

・令和6年1月26日副反応検討部会、安全対策調査会(合同開催)資料:

 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00072.html

 

日本医師会・厚生労働省共催 「賃上げ等に関する診療報酬改定&マイナ保険証の利用促進に関するオンラインセミナー」について

この度、日医と厚生労働省の共催により、標記オンラインセミナーが下記のとおり開催されますのでご案内申し上げます。

本セミナーは、医療関係者の賃上げおよびマイナ保険証の利用促進の取り組みの一環として開催されるものであり、厚生労働省より説明がなされる予定です。

 

                記

 

 『賃上げ等に関する診療報酬改定&マイナ保険証の利用促進に関するオンラインセミナー』

 

日 時  2月15日(木)午後6時~7時

 

開催方法 YouTube ライブ配信(後日アーカイブ動画を厚労省のYouTubeに公開)

   ※URL:https://www.med.or.jp/people/info/doctor_info/011557.html

 

目 的 

医療界の賃上げ・人材確保へといった喫緊の課題への対応のため、令和6年度診療報酬改定において、賃上げを実現するために必要な水準の改定率を確保したところ。中医協での議論を踏まえた賃上げ等に関する改定内容を詳細に説明し、各医療機関において積極的に現場で働く方々の賃上げ等に取り組んでいただく。

マイナ保険証は医療の質の向上や医療現場の負担軽減といった様々なメリットがあるが、こうしたメリットをより多くの国民の方々に実感いただき、実際にマイナ保険証を使っていただくためには、厚生労働省と関係団体等が協力して、普及促進に取り組むことが重要。このため、マイナ保険証の利用促進に向けた医療機関等への支援金やカードリーダーの増設支援等について、その要件等を詳細に説明し、各医療機関・薬局に積極的に活用いただく。

 

胃がん・大腸がん検診二次精密検査医療機関の新規登録の募集について

胃がん・大腸がん検診二次精密検査医療機関の新規登録の募集は、令和4年度の途中から随時募集となりました。
 新規登録希望の医療機関は選定基準をご確認のうえ、応募票(1)と(2)のいずれかを地域医療2課へご提出ください。選定結果は一か月を目途に通知いたします。
 今回の応募により登録された二次精密検査医療機関の登録期間は2029年3月末日までの5年間で、更新は5年おきに必要となります。
 なお、今回の応募で登録不可(辞退・抹消を含む)の医療機関の場合、再応募は来年の募集時以降に可能となりますのでご了承ください。

 

<応募方法>
 下記の選定基準・応募票をダウンロードして必要事項を記入し、地域医療2課へご送付下さい。
選定基準

(1)「胃がん内視鏡検診実施医療機関と同時にお申し込みの医療機関」
応募用紙(1)
 「選定基準」「選定基準・選定パスの要件」の②に該当するため、応募書式が大幅に簡略化されます。応募票(1)に必要事項をご記入の上、胃がん内視鏡検診実施医療機関の応募票と合わせて地域医療2課へご送付ください。(胃がん内視鏡検診実施医療機関の応募票は京都医報2月1日号掲載の「申込書」(仮登録用)をお送りいただいた医療機関に配布しております)

 

(2) 「胃がん・大腸がん検診二次精密検査医療機関のみにお申し込みの医療機関」
応募用紙(2)
 「選定基準」をご参照の上、胃がん検診・大腸がん検診二次精密検査医療機関登録応募票へ必要事項を記入し地域医療2課あてにご提出ください。

 

◆登録更新の医療機関
 更新対象の医療機関には本会事務局より対象医療機関へ更新応募用紙を送付しますので、締め切りまでに必要事項を記入し、指定講習会受講証明証を添え、地域医療2課へご送付下さい。

 

担当:京都府医師会 地域医療2課消化器がん検診係
   TEL 075-354-6113 FAX 075-354-6097

令和5年度第1回医療安全講演会開催のお知らせ

 今年度第1回の医療安全講演会は、令和6年3月3日(日)、『カルテの書き方』をテーマに開催致します。
 今回は、web配信と集合研修(定員制)にて開催いたします。また終了後、府医ホームページにてオンデマンド配信も予定しております。受講にはwebからの申し込みが必要となりますので、下記開催案内ページよりお申込みください。

  → 参加申し込みはこちら

令和6年度診療報酬改定「議論の整理」に対するパブリックコメント投稿のお願い

 1月12日(金)、武見厚生労働大臣は、中医協に対して、①診療報酬改定率、②「令和6年度診療報酬改定の基本方針」に基づいて、診療報酬点数の改定案を作成するよう諮問し、これを受けて中医協では、「令和6年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」を取りまとめました。

 また、厚労省では「議論の整理」についてパブリックコメントを求めるため、同日付けでホームページにその内容を公表致しました。

 つきましては、コメントの締め切りが、1月19日(金)と非常に短期間となっておりますが、内容をご検討の上、必要なコメントをご提出いただきますようよろしくお願い申し上げます。

「議論の整理」では、外来診療について、日常的な感染防止対策や職員の賃上げの観点から初再診料等の評価を見直すとされています。また、生活習慣病管理料の要件・評価の見直しや、特定疾患療養管理料の対象患者の見直しのほか、リフィル処方及び長期処方の活用等の観点から特定疾患処方管理加算の要件・評価も見直すことなどが示されています。

入院医療については、40歳未満の勤務医、事務職員等の賃上げの観点から入院基本料等の評価の見直しや、急性期一般入院料1の平均在院日数の要件見直し、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の判定に係る評価項目・該当患者割合の基準を見直すこととされています。

このパブリックコメントの内容も踏まえて、最終的な判断がなされることから、集められた意見によっては、非常に大きな意味を持つものと考えられます。

 その他、各検討項目につきましても、反対、賛成を問わず、是非ともご投稿下さいますようお願い申し上げます。

 

【募集期限】

  令和6年1月19日(金)〔必着〕

 

【厚生労働省ホームページ】

 「令和6年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」に関するご意見の募集について 

 (https://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/p20240112-01.html

 

【投稿方法】

 ○電子メールのみとなります

   アドレス:2024kaitei@mhlw.go.jp

 ・メールの題名は「令和6年度診療報酬改定に関する意見」

 ・ご意見につきましては、必ず定められた様式に記入の上、ファイルを電子メールに添付して提出して下さい。

 ・医師会名等ならびにその役職名等は付けず、できる限り個人名、個人アドレスでご送付下さい。

 

 

医療情報・システム基盤整備体制充実加算等の特例措置の終了について

 令和5年4月から適用されていた「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」及び「医薬品の安定供給に係る取組の推進に向けた診療報酬上の加算」の取扱いについては、12月31日をもって終了となりますので、令和6年1月以降の算定についてはご留意ください。

 

                記

◆令和6年1月以降

1.医療情報・システム基盤整備体制充実加算

   初診 加算1(マイナンバーカードを利用しない)=4点

      加算2(マイナンバーカードを利用する) =2点

   ※再診の加算3(2点)は廃止

 

2.一般名処方加算(院外処方箋の加算)

   加算1=7点、加算2=5点

 

3.外来後発医薬品使用体制加算(院内処方の加算・施設基準届出要)

   加算1=5点、加算2=4点、加算3=2点

 

4.後発医薬品使用体制加算(入院の加算・施設基準届出要)

   加算1=47点、加算2=42点、加算3=37点

 

 

令和6年度診療報酬改定率決定  診療報酬本体 プラス0.88%

12月20日(水)、令和6年度診療報酬改定率が決定しましたので、その概要をお知らせします。

診療報酬本体はプラス0.88%となりました。
このうち、看護職員等の賃上げの対応にプラス0.61%、入院時の食費の引き上げの対応にプラス0.06%を充てる一方、生活習慣病を中心とした管理料、処方箋料等の再編などの効率化・適正化によりマイナス0.25%とされ、これらを除く改定率はプラス0.46%となります。医科改定率はプラス0.52%。薬価・材料価格はマイナス1.00%。
なお、0.46%のうち、0.28%程度は40歳未満の勤務医や事務職員などの従事者の賃上げに用いることとされています。

詳細は「診療報酬改定の基本方針」などと併せて、令和6年1月15日号保険医療部通信において、あらためてお知らせします。

◎診療報酬改定について
https://www.kyoto.med.or.jp/hoken/1220kaitei.pdf