保険医療関係

◆令和6年度診療報酬改定において経過措置が設けられた施設基準について ~外来感染対策向上加算の届出直しにご注意‼

 11月1日号京都医報保険だよりで既報のとおり、令和6年度診療報酬改定により、一部の施設基準が変更されており、改めて近畿厚生局に届出が必要なものがあります。

 そのうち外来感染対策向上加算については、12月31日まで経過措置が設けられており、引き続き算定する場合には、届出直しが必要とされています(〆切:令和7年1月10日)。未だに届出直しがない医療機関には、12月18日付で近畿厚生局京都事務所から令和6年度診療報酬改定において経過措置が設けられた施設基準について(お知らせ)という文書が個別に郵送されていますので、この文書が届いた医療機関において1月以降も算定を続けたい場合は、至急手続きをしてください。手続きの詳細は11月1日号京都医報保険だより(下記)をご参照頂き、ご不明点がある場合は保険医療課まで(TEL 075-354-6107)お問い合わせください。

 なお、病院における感染対策向上加算1~3についても12月31日まで経過措置が設けられており、引き続き算定する場合には、届出直しが必要とされています(〆切:令和7年1月10日)ので、ご留意ください。

※本内容については、「府医ML」からもご確認いただけます。

◆ 後期高齢者医療被保険者証の廃止に伴う重度心身障害 老人健康管理事業(健管)の対象者証の変更について

12月に後期高齢者医療被保険者証の新規発行が廃止されることに伴い、重度心身障害老人健康管理事業(健管)の対象者証が、シール形式から紙に変更されますので、下記のとおりお知らせします。

1 変更内容

 令和6年12月2日以降 、新規に発行する対象者証について、シール形式から紙に変更。

◆重度心身障害老人健康管理事業(健管)の対象者証

2 留意事項

  • 既存のシール形式の対象者証所持者については、次回更新時に紙の対象者証を交付する取扱いも可とされている(次回更新までは、シール形式の対象者証を使用可能)。
  • 証の色は毎年更新する(シールと同じ色周期)。(令和6年12月2日から令和7年7月31日は桃色)
  • サイズは福祉医療費受給者証と同じ(B7)。

 

医療DX推進体制整備加算の見直しについて

 8月1日号京都医報等でも既報のとおり、医療DX推進体制整備加算が10月からマイナ保険証の利用率に応じて3段階に評価が分かれ、加算1は11点、加算2は10点、加算3が8点となります。
 各医療機関の利用率は社会保険診療報酬支払基金から送付されるメールまたは医療機関等向け総合ポータルサイトのマイページから確認してください。
 なお、本加算は施設基準の届け出が必要となりますのでご留意ください。既に届出している医療機関は届出直しが不要であり、10月以降は利用率の実績に応じた加算を算定することとなります。届出していても、利用率が基準に満たない場合は算定できません。

詳しくはこちら

厚労省とデジタル庁による医療機関等向けマイナ保険証利用促進セミナーの開催について

 マイナ保険証の利用促進に向けて、顔認証付きカードリーダー増設支援補助金の期間延長や医療費助成の受給者証と診察券のマイナンバーカードとの一体化の実現方策と補助金について、広く周知を図る観点から、標記のセミナーが開催されることとなりましたので、お知らせします。

 

【セミナーについて】

日  時:令和6年8月9日(金) 18:00~18:45(予定)

開催方法:YouTubeライブ配信 (後日アーカイブ配信)

 

<セミナー参加はこちらから>

同アドレスで一定期間アーカイブ視聴可能予定。

 

※上記以降については、厚生労働省の「オンライン資格確認の導入について」

ページ内「マイナ保険証利用促進に役立つ動画コンテンツ」にて、アーカイブ配信の案内が掲載される予定です。

 

<内 容>

・医療機関・薬局への一時金、顔認証付きカードリーダー増設支援補助金の期間延長

・医療費助成の受給者証と診察券のマイナンバーカードとの一体化実現方策と補助金

・電子処方箋に対応した医療機関・薬局の導入状況 等

◆医療情報取得加算、医療DX推進体制整備加算の見直しについて 他

 中医協は7月17日、医療DXに関する診療報酬上の取り扱いについて厚生労働大臣に答申しました。

 医療情報取得加算は令和6年12月から初・再診時とも1点に見直し、医療DX推進体制整備加算は令和6年10月からマイナ保険証の利用率に応じて3段階に評価が分かれ、加算1は11点、加算2は10点、加算3が8点となります。

 主な内容は下記のとおりです。詳細は8月に示される予定のため、あらためて医報等でお知らせします。

 

1.医療情報取得加算

令和6年12月2日から現行の健康保険証の発行が終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行することを踏まえ、マイナ保険証の利用の有無に着目した加算の点数差を見直し、標準的な問診票や、オンライン資格確認等システムからマイナ保険証を通じて取得された医療情報等の活用による質の高い医療の評価へと見直す。

 

・現在~令和6年11月まで

 初診時 医療情報取得加算1(現行の保険証の場合) 3点

     医療情報取得加算2(マイナ保険証の場合) 1点

 再診時(3月に1回)

     医療情報取得加算3(現行の保険証の場合) 2点

     医療情報取得加算4(マイナ保険証の場合) 1点

・令和6年12月から

 初診時、再診時(3月に1回)ともに医療情報取得加算 1点に統一

 

2.医療DX推進体制整備加算

 マイナ保険証の利用実績やマイナポータルの医療情報等に基づく患者からの健康管理に係る相談対応に応じ、加算1、2、3の新たな評価区分を設ける。

 

・現在~令和6年9月まで

 初診時 医療DX推進体制整備加算 8点

・令和6年10月から

 初診時 

  医療DX推進体制整備加算1 11点

  医療DX推進体制整備加算2 10点

  医療DX推進体制整備加算3  8点

 

<マイナ保険証利用率の実績>

・令和6年10月から12月:加算1は15%、加算2は10%、加算3は5%。

・令和7年1月以降:加算1は30%、加算2は20%、加算3は10%に引き上げ。

・令和7年4月以降:年末を目途に検討、設定。

※実績の数値は適用時期の3カ月前のレセプト件数ベースのマイナ保険証利用率を用いる。ただし、令和6年10月から令和7年1月までの間は、適用時期の2カ月前のオンライン資格確認件数ベースのマイナ保険証利用率を用いることもできる。

 

 ◆近畿厚生局への施設基準に係る定例報告について-今年度から提出時期が8月に変更

 施設基準に係る定例報告につきまして、昨年度までは7月1日現在の施設基準に係る報告を7月中に近畿厚生局京都事務所に提出することとされていました(7.1報告)が、今年度からは8月1日現在の状況を8月中に提出することに変更されました(8.1報告)。

 提出方法等は近畿厚生局から8月上旬頃に送付予定の案内はがきをご参照ください。

外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の届け出について

 今回の診療報酬改定で医療従事者の賃上げを目的に新設された外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)につきまして、施設基準の届出に必要となる賃金改善計画書を作成する際に活用できる「ベースアップ評価料賃金改善計画書計算ツール」が厚労省ホームページにアップされましたのでお知らせします。

 各職員の給与明細情報を基に、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の様式の「賃金改善計画書」を作成するために必要な情報が自動計算されるツールです。前年度の各職員の給与明細をお手元にご用意いただいたうえで、ツールに必要な情報を入力してください。

 また、日医ホームページのメンバーズルーム内に、「ベースアップ評価料と医療DX加算のポイントについての説明動画が掲載されました。上記の賃金改善計画書計算ツールの使用方法などがわかりやすく説明されていますのであわせてご参照ください。

●厚労省ホームページ「ベースアップ評価料等について」

  ・ベースアップ評価料賃金改善計画書計算ツール(医科) (エクセル)

  ・ベースアップ評価料賃金改善計画書計算ツールの使用方法(医科)(PDF)

  ・ベースアップ評価料賃金改善計画書計算ツールの使用方法(医科)(説明あり版)(PDF)を

   ご参照ください。

 

 ●日医ホームページのメンバーズルーム内

「都道府県医師会社会保険担当理事連絡協議会 ベースアップ評価料と医療DX加算のポイントについて」

 

日医のメンバーズルームに入るIDとパスワードは以下のとおりです。

 <ID>

  会員ID(日医刊行物送付番号)の10桁の数字(半角で入力)です(宛名シール下部に印刷されている10桁の数字です)。

 <パスワード>

 生年月日の「西暦の下2桁、月2桁、日2桁」を並べた6桁の数字です(半角入力)。

 例)「昭和37年(1962年)2月4日生まれ」の場合→「620204」になります。

 

 なお、IDがご不明な場合は、下記メールアドレスにお問い合わせください。

 日本医師会の担当課アドレス wwwinfo@po.med.or.jp

ベースアップ評価料と医療DX推進体制整備加算の届出について

 令和6年度6月診療報酬改定で新設されたベースアップ評価と医療DX推進体制整備加算について、日医がその概要をまとめましたので、ご参照ください。

なお、ポイントを解説した動画(診療報酬オンラインセミナー)が厚労省ホームページからご覧いただけます。

 また、届出用紙は府医ホームページ「令和6年6月診療報酬改定」専用ページからダウンロードできます

(専用ページの「ユーザー名:hoken」 、「パスワード:kaitei2024」、すべて小文字半角)。

 

1.ベースアップ評価料について

◇他産業でも賃上げが続いている中、医療機関からの人材流出を防ぎ、人材を確保するためには、職員の賃上げが必要です。本来、その費用はすべて医療機関で用意しなければならないところ、今回改定で賃上げの原資となるベースアップ評価料が創設されました。そのため、ベースアップ評価料を多くの医療機関に算定いただきたいと思います。

◇ベースアップ評価料の令和8年度以降の診療報酬上での取扱いは明らかになっていませんが、介護保険施設では10年余り前から介護職員処遇改善加算等による処遇改善が図られており、その後の改定においてもその加算等については維持されていることを踏まえると、今後の診療報酬改定で単純に廃止されることは考えづらいと思います。

◇診療報酬オンラインセミナーの動画は約50分ありますが、開始7分後から35分30秒の約30分(ベースアップ評価料に関する部分)だけでも視聴いただくようお願いいたします。

◇届出の際には、賃金改善計画書の作成が必要となります。その際、留意いただきたい点は以下のとおりです。

(1)対象職員のリストアップ

◇賃金改善計画書の事前準備として、ベースアップ評価料の対象職員の範囲を確認する必要があります。賃金改善計画書には、対象職員の職種別に基本給等を計算し、記入が必要です。また、対象職員とならない「40歳未満の勤務医師等」や「専ら事務作業を行うもの」が在籍している場合についても、計画書への記載が必要です。

(2)「専ら事務作業を行うもの」の定義

◇施設基準においては「専ら事務作業(医師事務作業補助者、看護補助者等が医療を専門とする職員の補助として行う事務作業を除く)を行うもの」は対象職員に含まれないとされています。

◇医師事務作業補助者や看護補助者等が医療を専門とする職員の補助として行う事務作業は、ここでいう「事務作業」から除かれているので、「事務作業だけでなく、看護補助など患者のサポートを通じて医療に従事する業務も行う方」は、「その他医療に従事する職員」として対象職員に該当するので、ベースアップ評価料の算定分を原資として賃上げを行うことができると考えられます。

(3)ベースアップ評価料における「給与総額」、「基本給等総額」

1)定義

◇「給与総額」は、8区分あるベースアップ評価料(Ⅱ)や、165区分ある入院ベースアップ評価料のどの区分になるかを決定するために用いられます。

◇「基本給等総額」(基本給と決まって毎月支払われる手当の合計額)は、賃金改善計画書の中の概念で、算定したベースアップ評価料を充当できる対象となる賃金の類型です。業績給など、変動するものにはベースアップ評価料をあてることはできません。 

 また、ベースアップ評価料は原則、対象職員にしか分配できませんが、対象職員の基本給等を2.5%以上(令和6年度において)引き上げた場合、それを超える部分は、「専ら事務作業を行うもの」など、対象職員以外の職員の賃上げにも使うことができます。

2)法定福利費の取扱い

◇「給与総額」は「基本給等」「決まって毎月支払われる手当以外の手当て」「賞与」が含まれますが、これに加えて、健康保険料や厚生年金保険料といった「法定福利費の事業主負担分」も、ベースアップ評価料の算定上、「給与総額」に含まれます。

3)法定福利費の率

◇法定福利費が生じる方については、便宜的に一律16.5%で計上してよいとされています(厚労省疑義解釈より)。給与総額を把握していても、事業主負担分を除いた金額で把握している場合、事業主負担分の計算は大変ですが、一律16.5%として計算してよいのであれば、簡単に計算できます。

4)ベースアップ評価料による賃金改善分に含めることができるもの

◇ベースアップ評価料による賃金改善には、基本給を賃上げする方法のほか、財源管理の簡略化等の観点から、決まって毎月支払われる手当として、例えば「ベースアップ手当」といった手当を新設して、賃上げを行うことも可能です。

5)基本給等と連動する部分

◇基本給等と連動して引き上がる部分についても、ベースアップ評価料を用いた賃金改善に含めることができるとされています。反対に言えば、ベースアップ評価料算定の全額を基本給あるいは毎月決まって支払われる手当のみに当ててしまうと、基本給等に連動して上がる部分(例:健康保険料や厚生年金保険料)は、医療機関の持ち出しで上げることになります。

◇賞与のうち基本給等に連動する部分や法定福利費の事業主負担分なども考慮した上で、賃金改善の計画を立てられるとよいです。

(4)ベースアップ評価料届出後ろ倒し

◇外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の届出を6月21日までに近畿厚生局京都事務所に提出した場合、6月1日から算定できるとされました。これまで6月1日から算定しようとする場合、6月3日までに届出が必要でしたが、届出期限が6月21日までに延びました。

◇外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)や、入院ベースアップ評価料を6月1日から算定する場合は、引き続き6月3日までの届出が必要になるので、注意が必要です。

◇診療所または一部の有床診療所においては、ベースアップ評価料(Ⅰ)の算定だけでは1.2%未満の賃上げにしかならない場合、ベースアップ評価料(Ⅱ)を算定できますが、算定できるかどうかは、届出の記入を進めないと分からないため、まずは、ご自身の医療機関がベースアップ評価料(Ⅱ)の対象になるかどうか、確認いただければと思います。

◇まずは6月1日からベースアップ評価料(Ⅰ)を算定して、7月以降に改めてベースアップ評価料(Ⅱ)を算定することも選択肢になります。

2.医療DX推進体制整備加算について

◇マイナ保険証や電子処方箋などの医療DXを推進する体制を評価する「医療DX推進体制整備加算:8点(初診時)」が新設されましたので、6月1日からの算定を、是非ともご検討ください。6月1日から算定するためには、6月3日までの届出が必要です。

◇以下に示す主な施設基準要件が規定されていますが、6月の時点で満たす必要があるのは①と➁だけです。

②のポスター・配布用チラシは、厚労省ホームページからダウンロードしてください。

③~⑤は施行まで「基準を満たしているものとみなす」経過措置がありますので、6月の段階で電子処方箋など導入されていなくても届出・算定が可能です。経過措置終了後に、例えば電子処方箋が導入されていないということで、6月1日にさかのぼって減点されるようなことはありません。

①マイナ保険証での取得情報を診察室で使用できる体制(令和6年6月~)

➁マイナ保険証の利用勧奨の掲示(令和6年6月~)

③マイナ保険証利用実績が一定程度以上であること(令和6年10月~)

④電子処方箋を発行できる体制(令和7年4月~)

⑤電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制(令和7年10月~)

◇届出書(様式1の6)にある10項目のうち、6月の時点で1、2、3、9の4項目のみ「✓」を記入して届出すれば算定できます。

外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)に係る届出について~6月21日まで延長

 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)に係る施設基準の届出の作成に一定程度時間を要すること等を踏まえ、6月からの算定にあたっての届出の期限が6月21日(金)まで延長されましたのでお知らせします。

 なお、評価料(Ⅱ)および入院ベースアップ評価料については延長対象ではございませんのでご注意ください。

 

 

 

 6月1日からの算定に係る「外来・在宅ベースアップ評価料(I)」、「歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)」及び「訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)」の施設基準の届出については、6月21日までに届出を受理した場合については、同月1日から算定する。

 なお、6月1日からの算定に係る「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)」、「歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)」、「入院ベースアップ評価料」及び「訪問看護ベースアップ評価料(Ⅱ)」の施設基準の届出については、6月3日までに届出を受理した場合には、同月1日から算定する。

 

 

(参考)令和6年6月1日からの算定に係る施設基準の届出について

②以外の施設基準に係る届出 令和6年6月3日までに届出
「外来・在宅ベースアップ評価料(I)」、

「歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)」、

「訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)」

に係る施設基準の届出

令和6年6月21日までに届出

 

ベースアップ評価料と医療DX加算に関する オンラインセミナーについて

 今回の診療報酬改定に伴い新設されたベースアップ評価料について、届出方法などがわかりにくいとの指摘を踏まえて、日医が厚労省に働きかけた結果、厚労省がベースアップ評価料などに関するオンラインセミナーを5月20日(月)に YouTube でライブ配信することとなりました。

届出サポートの実績が豊富な現役コンサルが、ベースアップ評価料と医療DX加算のポイントを解説される予定ですので、是非ご視聴ください。後日、アーカイブ配信もされる予定です。

 

 

診療報酬オンラインセミナー

~500件超の届出をサポートする現役コンサルが教えるベースアップ評価料の届出と医療DX加算のポイント~

 

 

◇日時:5月 20 日(月)18:30~19:00

◇開催方法: YouTube ライブ配信 (後日アーカイブ配信)

<参加はこちら >

◇内容:ベースアップ評価料の届出記載方法の説明、医療DX推進体制整備加算の説明など

※株式会社川原経営総合センターの薄井課長(社会保険労務士法人川原経営 代表社員)が、ベースアップ評価料の活用・届出方法について、現場から多くいただいている質問を踏まえて解説・回答されます。